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第6章 刑事事件・少年事件 |
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第36条(基本規定) |
1(事件分類) 本章における事件の定義は、以下のとおりとする。 |
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(1) |
簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は煩雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件をいう。 |
(2) |
複雑な事件とは、裁判員裁判対象事件、及び公判前整理手続に付された事件、 並びに事件数又は関係者が多数である等の事情があり、事件処理に相当程度の困難さ、煩雑さが予想され、委任事務処理に相当程度の労力又は時間を要すると見込まれる事件をいう。 |
(3) |
前2項の事件に該当するかどうかの判断は、当該事件を担当する所属弁護士 (以下本節において「受任弁護士」という)において、当該事案についての事件の性質、争点、犯行の態様、被疑者被告人・被害者・共犯者・その他事件関係者の状況等、事件に関する一切の事情を勘案して決定する。 |
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2(特別手当、日当の合意) 依頼者が契約時に受任弁護士との間で第 42 条に定める特別手当、及び第 43 条に定める日当の支払の合意をした場合には、依頼者は、弁護士費用に加えこれらを別途支払うものとする。 |
3(実費の負担) 依頼者は、着手金、報酬金、特別手当、日当の他、受任弁護士の請求に応じて、当該事件に必要な実費を支払うものとする。 |
4(費用の支払) 依頼者は、本節各条項に定める着手金、報酬金、特別手当、日当、実費の支払について、受任弁護士の請求に応じて遅滞なく行うものとする。 |
5(預り金制度) 前項の各費用の支払方法について、依頼者と受任弁護士の協議のうえ、書面により合意した場合には、依頼者は、一定の金員を受任弁護士に預け、受任弁護士が同金員から各費用を差し引く方法によって各費用の支払をすることができる。 |
第37条(刑事事件の着手金) |
1 |
起訴前弁護の着手金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
着手金 |
基本金額 |
300,000円以上500,000円以下 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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2 |
起訴後弁護(第一審)の着手金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
着手金 |
基本金額 |
300,000円以上500,000円以下 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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3 |
上訴事件(控訴審・上告審)の着手金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
着手金 |
基本金額 |
300,000円以上500,000円以下 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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第38条(刑事事件の報酬金) |
1 |
起訴前弁護の報酬金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
結果 |
報酬金 |
基本金額 |
不起訴 |
300,000円以上500,000円以下 |
略式起訴 |
200,000円以上400,000円以下 |
正式起訴 |
0円 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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2 |
起訴後弁護(第一審)の報酬金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
結果 |
報酬金 |
基本金額 |
無罪(一部無罪を 含む) |
500,000円以上1,000,000円以下 |
刑の執行猶予 |
300,000円以上500,000円以下 |
刑の執行猶予(再 度の執行猶予) |
400,000円以上700,000円以下 |
実刑(求刑より軽減) |
200,000円以上400,000円以下 |
実刑(求刑以上) |
0円 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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3 |
上訴事件(控訴審・上告審)の報酬金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
結果 |
報酬金 |
基本金額 |
無罪(一部無罪を含む) |
500,000円以上1,000,000円以下 |
刑の執行猶予 |
300,000円以上500,000円以下 |
刑の執行猶予(再 度の執行猶予) |
400,000円以上700,000円以下 |
実刑(第一審判決より軽減) |
200,000円以上400,000円以下 |
実刑(第一審判決以上) |
0円 |
検察官上訴が棄 却された場合 |
400,000円以上700,000円以下 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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第39条(再審請求事件の報酬) |
1 |
再審請求事件の着手金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
着手金 |
基本金額 |
500,000円以上1,000,000円以下 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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2 |
再審請求事件の報酬金は、次表のとおりとする。 |
事件分類 |
結果 |
報酬金 |
基本金額 |
再審開始決定 |
500,000円以上1,000,000円以下 |
不開始決定 |
0円 |
簡明な事件 |
上記基本金額を、2分の1までの範囲の相当額に減額することができる。 |
複雑な事件 |
上記基本金額に対し、2分の1から2倍までの範囲の相当額をさらに加算することができる。 |
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3 |
再審請求が認められた後の事件の審理に関する着手金の金額については、第 37 条の規定に、及び報酬金の金額については、第 38 条の規定にそれぞれ従う。 |
第40条(複数の事件等について同一弁護士が引き続き受任した場合等) |
1 |
起訴前に受任した事件が起訴され、引き続いて受任弁護士が起訴後の事件を受任するときも、受任弁護士は起訴後の事件について第 37 条第2項に定める着手金を受けることができる。 |
2 |
再逮捕等により起訴前事件が複数になる場合、及び起訴後に追起訴された事件について、同一の弁護士が受任するときは、それぞれ別事件として第 37 条に定める着手金、及び第 38 条に定める報酬金を受けることができる。 |
3 |
受任弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、第 37 条第3項に定める着手金、及び第 38 条第3項に定める報酬金を受けることができる。 |
4 |
受任弁護士は、本条第1項ないし第3項の場合において、事件が同種であるなど の事情により、事件数の割合に比して一件当たりの執務量が軽減されるなど、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を減額すべき事由があると認める場合には、 適正妥当な範囲内で減額することができる。 |
第41条(検察官の上訴取下げ等) |
検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあった場合の報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第 38 条の規定を準用する。 |
第42条(特別手当) |
受任弁護士は、依頼者との協議により書面によって合意した場合には、保釈申立、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、及び特別抗告等の申立事件に対する特別手当を受けることができる。ただし、同手当は当該申立が棄却、あるいは却下された場合には生じない成功報酬とし、またその金額は100,000円以上とする。 |
第43条(刑事事件における日当の特則) |
受任弁護士は、依頼者との協議により書面によって合意した場合には、次表のとおり日当を受けることができる。 |
種類 |
内容等 |
金額 |
接見日当 |
接見1回あたりの日当 |
10,000円以上30,000円以下 |
公判日当 |
公判期日・公判前整理手続期日・打合せ期日等、裁判所に出頭した場合の1期日あたりの日当 |
10,000円以上50,000円以下 |
その他日当 |
被害弁償、示談交渉、現地調査、事情聴取等、当該事件に関して外出等した場合の日当 |
半日(往復2時間を超え4時間まで) 30,000円以上50,000円以下 |
一日(往復4時間を超える) 50,000円以上100,000円以下 |
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第44条(告訴、告発等) |
1 |
告訴、告発、検察審査会への審査申立、仮釈放、仮出獄及び恩赦等の手続の着手金並びに報酬金は、以下のとおりとする。 |
着手金 |
300,000円以上500,000円以下 |
報酬金 |
300,000円以上500,000円以下 |
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2 |
前項において報酬金を受けられる場合とは、以下のとおりである。 |
告訴及び告発事件 |
告訴及び告発の受理 |
検察審査会への審査申立事件 |
審査の開始 |
仮釈放、仮出獄及び恩赦等 |
仮釈放、仮出獄及び恩赦等の決定の確定 |
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